ポイント制度の導入
塾に通い始めて2週間が経過しようとしました。1週目と変わらず姉丸の塾の宿題は終わらない日々を過ごしていました(なお、詳細はこちらの記事をご参照ください。「いきなりピンチ!?終わらない塾の宿題!泣きながらの中学受験宿題対応!」)。
宿題を始めて10分後…。
机に向かい続けられない姉丸に対して、半ばイライラしならがら父丸は…
塾の宿題は大量にあるが、10分程度しか椅子に座っていられない姉丸…。
この時父丸は、この現状を打破するため成果主義を導入することを決意しました。
ここで言う成果主義とは、上記の通り当初は例えば算数の問1が終われば、小袋のお菓子(例:ハッピーターンやチョコレートを1個)をあたえるという制度でした。
問1が終わればお菓子小袋のお菓子1個という制度は、少しずつ進化を遂げ最終的にはポイント制度へ移行していきました。
ポイント制度は例えば、姉丸が計算問題を1問解けば1ポイントをGETし、姉丸が獲得したポイントに基づきポイント別に分けられたお菓子箱のなかから、お菓子を選べるというポイント制度でした。我が家では1ポイントのお菓子として、ハッピーターン1個、うまい棒1本等、2ポイントとしてラムネ1個、グミ1個等、3ポイントとしてジャガビー1袋、チョコ1個等、4ポイントとしてチョコ小袋1個等、アイス1本、5ポイントとして小袋ポッキー1袋、タケノコの里5個等といったようにそれぞれ設定しました。
姉丸自身3時のおやつは自分の成果により稼いだポイントによりその豪華さが変わるという超成果主義型の報酬制度でした。
お菓子が大好きな姉丸は、自分のがんばらなければお菓子がGETできないという死活問題となっていました。
またそのポイントを使って、ポイント別にお菓子箱から選ぶことができます。
導入当初、このポイント制度はそれなりに機能していました。
姉丸もお菓子ほしさに宿題を終わらせるようになり、ポイント制度はうまくいくかに思えました。
しかし、ポイント制度を導入して1か月して、
このままではまずいと思った父丸は・・・。
お菓子が将来的に食べられなくなるわけではないと分かった姉丸はしぶしぶ宿題を始めました。
我が家の成果を上げる都度、報酬を与える方法として採用したポイント制度の終焉でした。
ポイント制度の導入に対する父丸の見解
算数、国語、理科、社会の問題の解答に応じてポイントを獲得できるポイント制度は、結果として失敗でした。
何が失敗だったかといえばポイント制度導入は、短期的には十分とは言えないまでも姉丸の勉強時間が徐々に増えていったのですが、日が経つにつれて勉強の目的がお菓子をGETすることが目的となってしまい、勉強そのものに対する意欲は減少していることが明らかに見て取れたからです。
これを心理学用語で「アンダーマイニング効果」といいます。
アンダーマイニング効果とは、内発的動機づけによる行為に対して報酬を与えるなどの外発的動機づけを行うことによって、モチベーション(やる気)が低減することをいいます。
10年以上前になりますが、父丸は心理学の本を何冊か続けて読んでいた時期があり、この「アンダーマイニング効果」の内容については知っていました(この心理学用語としての「アンダーマイニング効果」という言葉自体は知りませんでしたが)。
しかし、ポイント制度を導入した当初は、そんなことを言っていられる状況ではありませんでした。
姉丸は落ち着きがないため10分程度しか座っていらず、あと50分はウダウダ勉強をしないために文句あるいは泣いている時間でした。
姉丸の塾の宿題がなかなか進まない状況は、共働きである母丸、父丸にとってかなり厳しいものでした。
母丸と父丸それぞれが週末や仕事の合間をみて姉丸の勉強を見ていましたが、見ている時間の大半が勉強の進まない時間となっており、両親ともに気持ち的にまいってきてもいました。
その状況をわずかでも改善させようと導入したのがこのポイント制度でした。
結果として、短期的には姉丸の座り続けられる時間が10分から20分、20分から30分と少しずつ伸びていたので、集中力の向上という意味では役割を果たしたのですが、長期的には上述の通り、勉強そのものに対する意欲は減少していることが見て取れたから失敗に終わりました。
ポイント制度導入に対する父丸の感想としては、アンダーマイニング効果により姉丸の勉強に対する意欲は減少したため最終的には失敗に終わったものの、姉丸が勉強の際に座り続けられる時間が10分から20分、20分から30分にと少しずつ伸びたことは副産物としては悪くなかったのでは考えています。
勉強に対する集中力の時間は急激に伸びるものではありません。私も公認会計士の勉強を始めた頃、勉強し続けるという状況に苦労しました。
別記事で記載しますが、凡人が勉強で人に勝っていくためには量の部分も重要な要素となることから、この量のを確保するための改善は必ずしなければならないと考えています。
まとめると以下の通りとなります。
まとめ
【成果に対して報酬与えることの検証結果】
①報酬は短期的にはパフォーマンスを高めた
②報酬は長期的に報酬を得ることが目的となってしまい、勉強への意欲が減退していることが見てとれた
③机の向かえる時間は少し長くなった
④報酬がもらえないと勉強しなくなった
⑤報酬の獲得の効用感は時の経過とともに逓減(だんだん減ること)していった
⑥勉強する本人が勉強の本質を理解すること、勉強をこなすことにエネルギーを向けてしまっていた
検証結果としては、成果に対して報酬を与えずに勉強が進められるのであれば、それがベストかと思います。
しかしながら理想と現実が乖離していることは常で、多くのご家庭においてこの一定の勉強時間を確保し続けることは難しいかと想像しています。
このため、どうしようもない場合において期間限定であれば成果に対して報酬を与えることは、導入して問題ないのではと考えております。
我が家においても結果として1か月導入しました。結果としては上述の通り失敗ですが、この失敗が今に繋がっていることを考えることもできるのでは思っています。
すなわち、「机の向かえる時間を増やす」という1点を目的に短期的に導入するのであれば、成果に対して報酬与えることも一定の効果を得られるのではと考えています。