国語のできない子の特徴
「【中学受験】国語の点数はどうやって上げる!?(国語ができる子にするための勉強法を研究②)」において、「文章を客観的に読んで答える」必要があることを説明させていただきました。
では、まだまだ未熟な小学生に「文章を客観的に読んで答える」ということをどう落とし込むか考えてみようと思います。
そのためには、なぜ国語ができる子と国語ができない子が出てきてしまうかということについて考えたいと思います。
なお国語ができる子とできない子がいるのは、センスがないからだと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、センスの有無だけで考えてしまうと改善する余地もなくってしまうので、そこは横においておきたいと思います。
国語ができない子には、以下の3つの特徴があるかと思います。
①問題の意味を適切に理解できていない
②語彙が少ない
③小学校の国語の授業で、他人の自由な意見を素直に聞いてしまう
1つ目の「①問題の意味を適切に理解できていない」という点ですが、国語の問題の出し方は独特だと考えています。
例えば、以下のような問題があったとします。
「———線①に「皮肉」とありますが、何のことですか。文中から十三字で書きだして答えなさい。」
「———線①に「皮肉」とありますが、何のことですか。文章中の言葉を使って答えなさい。」
「———線①に「皮肉」とありますが、なぜ主人公は皮肉だと感じたのか理由を答えなさい。」
「———線①に「皮肉」とありますが、その内容が記載されているはじめの五字を書きぬいて答えないさい。」
上記は国語で出てくる問題のいくつかの例ですが、このような出題方針とその答え方に慣れていないと、とてもじゃないか対応できないと考えています。
例えば、初見で「文中から十三字で書きだして」とか言われたら、「なんで?」とか「何を聞きたいの?」とか思ってしまうことは至って自然なことだと思います。
特に人生経験が少ない小学生に、「文中から十三字で書きだして答えなさい」と「文章中の言葉を使って答えなさい」の違いを初めから理解して答えることができる子はそれほど多くないのではないでしょうか。
このように「問題の意味を適切に理解できていない」ために適切に答えることができず、その結果が国語の点数が取れないということなります。
2つ目の「②語彙が少ない」という点ですが、国語の文章問題はあらゆる分野の説明分や様々な時代の物語が出てきます。このため、経験の少ない小学生ではほとんど知らない分野の説明、時代の背景、人物、生物の話、場面等があり、聞きなれない言葉が多く出てきます。といいいますか、大人が読んでも知らない内容は少なくはありません。このため語彙が少ない子にとって、文章の理解はさらに難解なものとなります。いうなれば、英単語のわからない長文を読んでくらい苦痛なものとなっているのではないでしょうか。
このように「語彙が少ない」ために適切に文章を理解することができないことに伴い適切な答え書くことができず、その結果が国語の点数が取れないということなります。
3つ目の「③小学校の国語の授業で、他人の自由な意見を素直に聞いてしまう」という点ですが、これが一番やっかいものとなります。皆さんのなかでも小学校の国語の授業を覚えている又は子供の参観日で国語の授業を覚えている方は多いかと思いますが、小学校の国語の授業では、「なぜ主人公は皮肉だと感じたのか?」ということに対して自由な発想で答えさせます(皮肉ということを小学校の授業のテーマとして議論するかわかりませんが…)。また、文章に書かれていない心情まで考えて答えさせて、最終的にその発表に対して否定することもなく、進められていきます。子供として、色々な意見があることや想像力を働かすことは素晴らしいことであり、その点まで否定する必要はありません。
しかし、ご存知の通り、試験で出てくる国語の答えは1つです。小学校の国語の授業ではあきらかに違うものを除き、筆者の気持ちを汲んでいれば、その発言が否定されることはありませんが、試験は無残に本文に書かれていないことを答えると、本当に背景では筆者がそう考えていたとしてもバツをなってしまうのです。試験問題では、「文章に書かれていないこと以外は、答えてはいけない」すなわち、「文章を客観的に読んで答える」必要があるのです。そもそも問題には「~答えなさい。」と聞かれており、答えが存在すること問題中に明示されています。このため、誰がみてもそれが答えだとわかるような答えを解答として記載しなければなりません。そのこと実現するためには、国語の文章題を教えるにあたってまずは小学校でやっていることと別のものとして教えていかなければなりません。文章を客観的に読むということは、これはこれで非常に大事なことで、大半の子供達が「文書を客観的に読む」ということができていないことが、国語ができない理由となっており、その原因は上記の通り、小学校の国語の授業に関係しているのだと推定しています。国語がもとからできる子は、こういった客観的な視点を持っていて、物を俯瞰的に見る力が備わっているだと思います。
なお小学校の国語の授業の進め方は、個性を育むという意味では必要だと思いますので、決して悪いことではないことを付言させていただきます。
小学生に文章を客観的に読むということを理解させるために必要なマインド
国語のできない子には、上記の通り、①~③のような特徴があると考えます。正直なところ「①問題の意味を適切に理解できていない」については、慣れなので国語の問題をやる時に親が可能な限り横につきながら、問題文を解説してあげることで、徐々に理解は進んでいきます。この時に、初めにわからないことで、「なんでわからないの!?」とか怒らず、長い目で見てあげてください。国語の問題は、家庭内で意識的に「なぜ、なぜ、なぜ」を繰り返している家庭を除き、親としてはできないことが当たり前くらいの気持ちでいいと考えています。それに加えて、聞かれていることは様々であったとしても、問題文の聞き方の数には限りがあるので、あとは慣れでなんとかなっていくかと考えています。
また、「②語彙が少ない」についても短期でどうにかなるものではありませんが、文章内で出てきたわからない言葉できる限り、辞書なので調べて解説してあげるようにしてください。ある程度、語彙が揃いだすと子供が辞書だけ読んでわかるようになるかと考えています。
このなかで「③小学校の国語の授業での他人の自由な意見を素直に聞いてしまう」は、もっともやっかいなものとなります。これは、人として他人の自由な意見についても聞いて自分の考えを持つというのは人として必要な能力ではあるものの、国語の試験問題においては、全く必要のない能力であり、むしろ邪魔にさえなり得る能力になります。
「【中学受験】国語の点数はどうやって上げる!?なぜ国語ができないかを研究②」の例題を見ていただければ、イメージしやすいかもしれませんが、「文章に書いていないことは答えない(本文中の言い換えを除く)」といことを徹底しなければ、なりません。このため、国語ができない子へ教える際に、誤った解答を選んでいる場合に「どうして、その答えを選んだの」ではなく、「どこにそれが書いてあったの?」ということを繰り返し、問いながら進める必要があります。国語の文章題の絶対的な特徴として、一度読んだ文章の答えは、相当な確率で二度と出会わないということです。算数であれば、一度やった類題が試験にも出てくる可能性があるため、その内容を深く理解する必要があります。しかし、国語は違います。文章問題の答えを覚えたところ、そんなものは全く意味をなさないのです。このため、国語の勉強をするにあたって、答えがあっている、あっていないは、最初のうちはたいして重要なことはではないと考えています。子供に教えるべきことは、「文章に書いていないことは答えない(本文中の言い換えを除く)」ということと、「どこにそれが書いてあったの?」ということと徹底させることです。
私が姉丸への国語の指導している時も、口を酸っぱくして「姉丸の意見は聞いてないよ」ということを言い続けています。もちろん、上記の通り姉丸は姉丸で色々な考えがあり、想像力を働かすこと自体は素晴らしいことなので、その点まで否定することないのですが、国語の文章題を解く場合には飛躍した想像力は抑えていかなければなりません。すなわち「文章に書かれていないこと以外は、答えてはいけない」ということを徹底させなければなりません。それが客観的に読むということであり、自分の考えはとりあえず、横に置いておいて、作者が何を言いたいかを素直に読むということでもあります。
ただし、客観的に読むといっても漠然と文章を読んでいてもできるようにならないと考えています。このため、子供にもいくつか国語の文章を読むうえでテクニックという武器を持たす必要があると考えています。それを持たせることにより、より効率的に文章を読解できるようになると考えています。
以下は、大学受験の参考書となりますが、保護者の方が補足しながら説明すれば、十分に理解可能な内容となっております。
国語をどうやって上げたらいいかお悩みの親御様には、ぜひお手にとって試していただけばと思っています。
姉丸もこれで偏差値50を超えれるようになってきました。
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